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「安心して気持ちよく学修と仕事に取り組める星槎大学」 ポジティブ・アクション宣言 〜ー人ひとりの尊厳と権利をハラスメントからまもる大学 〜

 

星槎大学では、安心して気持ちよく学修と仕事に取り組める大学としてポジティブ・アクションの取り組みを以下の通り行っています。

 

「安心して気持ちよく学修と仕事に取り組める星槎大学」

ポジティブ・アクション宣言

―― 一人ひとりの尊厳と権利をハラスメントからまもる大学 ――

 

星槎大学は,学生・教職員一人ひとりの尊厳と権利がまもられ,安心して気持ちよく学修と仕事に取り組める大学であり続けるために具体的に行うことを明らかにし,誠実に実行していくことを約束します。

人の尊厳と権利をハラスメントからまもるのには,二つの道があります。 一つは,尊厳を傷つけ権利を侵害する「してはいけない」行為を列挙し,禁止と制裁をすることです。しかし,ハラスメント防止の規程やガイドラインに示されているような「禁止と制裁」は,必ずしもだれもが読みたい内容であるとは限りません。

もう一つの道は,尊厳と権利をまもるために行うべき具体的な行為を,大学の理想として掲げる「ポジティブ・アクション」宣言です。

わたしたちは,何かを「しない」ためにではなく何かを「する」ために,この大学に集まりました。

それは,いまの世界で部分的にしか実現されていない「共生」をできるだけ完全なものに近づけていくことです。星槎の創設者宮澤保夫は「共生」の理念を,「人を認める,人を排除しない,仲間を作る」というわかりやすい表現で示しています。

星槎大学は,すべての大学に先駆けて,さまざまな配慮を必要とする学生も学べる大学であることをうたって創設されました。それゆえに,星槎大学でなければできない教育,この大学に勤務してはじめてできる働き方を実現させるべく,人の尊厳と権利がまもられるハラスメントのない大学にするために何をしたらよいかを考えるのは,わたしたちにとって自然なことでした。しかし,それを言葉だけではなく行動によって実現する道がどれだけ難しいことであるかもまた,十分に理解しています。

わたしたち教職員と学生・修了生一同は,自分たちが行おうとする具体的な行動を約束し,星槎大学が理想とする「共生」という目標に向かってたゆまぬ努力を続け,安心して気持ちよく学修と仕事に取り組める大学であり続けることを,ここに宣言します。

 

【人としての尊厳と権利をまもる大学】

〇 わたしたちは,民族・宗教・思想信条・出自・学歴・性自認や障がいの有無にかかわらず,お互いの個性と自分が接する人たちの個性を尊重し,人としての尊厳と権利を守ります。また、すべての人が自分の学ぶべき対象であると考え,敬意を持って接します。

〇 わたしたちは,一人ひとりの良さを大切にし,お互いに認め合い,同じ組織の仲間として支え合うことで,仕事に意欲を持てる関係を育てます。

〇 わたしたちは,お互いに,つねにおだやかな温かい声をかけ,親切に接します。

〇 人は誤りをすることを前提に,他の人の誤りには冷静に反応し,失敗の原因や次にどうすればよいかを考え,ともに進歩するようにします。

〇 教職員や学生にとって大事なご家族に対しても,本人に対しても,大学人は敬意をもった発言をするようにつとめます。

〇 お互いのプライバシーを尊重し,関係の公私を区別します。

【自由な学修・教育研究を大切にする大学】

〇 大学は,学生の希望や特徴と指導教員の専門が適合するように,十分な教育的配慮をしながら指導者を決定します。

〇 教員は,指導を求められたときには,どの学生にも分け隔てなく懇切な指導をします。

〇 教員は,指導をするまでに時間がかかりそうなときは,学生におおよその見通しを伝え,学修がスムーズになるようにします。

〇 学生への課題は,本学で期待される学力の程度や学生の生活背景を考慮しながら,求める期間で可能な,達成感の持てるものにします。

〇 成績評価は,基準を明確にして,透明性のある合理的・客観的評価を行います。

〇 ゼミや研究グループの活動には,いつも全員が平等に参加できるようにして,必要な情報は全員で共有するようにします。

〇 学修・研究グループは,「人を認める,人を排除しない,仲間を作る」ものになるようにします。

〇 教員は,学生が希望した研究テーマに対しては,広い視点や深い理解に基づいた,新しい問いや答え,解決法につながる意義のあるものになるように支援します。

〇 論文や学会発表は,アイデアから研究完成までの総合的な貢献度に沿った,公正な著者順にします。

 

【相手を尊重し,創造性・意欲・自尊心をもって業務を行える大学】

〇 大学は,教職員すべてが自分の仕事をやりがいのある必要なものだとして感じられるように,能力や経験を配慮して担当させ,仕事が自己効力感や自尊心の源になるようにします。

〇 大学は,能力や状況を考慮して達成可能な目標や期限の業務の割り当てをするようにします。

〇 わたしたちは,お互いの内なる声に耳を傾けるコミュニケーションにつとめるとともに,だれもがもれなく同じ情報を共有できるようにします。

〇 仕事の評価は,透明性・公平性・妥当性を感じられるようにし,また,評価をする側の謙虚さと誠実さが伝わるようにします。さらに,評価が脅威の源になるのではなく,自主的な働き方を促進させるものになるようにします。

〇 業務の決定と責任の関連を明確にするとともに,仕事にあたっては広く相談ができる,個人の創意工夫も活かせる職場にします。

 

【性の多様性が尊重され,性差別のない大学】

〇 わたしたちは,教育・研究・業務上の指導や評価,人事は,性とまったく独立なものであるという原則をかたくまもります。

〇 わたしたちは,心身ともにお互いに程よい距離感を保ちます。

〇 わたしたちは,特定のジェンダー観にとらわれず,個人の性的指向,センスや振る舞いを尊重します。また,個人の性に関するプライバシーを保護します。

〇 掲示と広報は,人権尊重とジェンダー平等の観点や性的表現にも配慮した品位あるものにします。

〇 大学は,学修や業務上の役割が性役割とは独立なものであることを自明なこととして考えます。

 

2021  3  24 

星槎大学 学長 山脇 直司

 

【付記】 この宣言は,星槎大学の全教職員参加による「ハラスメント防止研修」(2021年1月20日)での,ポジティブ・アクション項目作成の試みに基づいています。また,本学大学院生・修了生と防止委員会委員長・副委員長による項目作成セッション(20201227日)での提案も,参照されています。

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