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子どもの心に寄り添う ~心理にも強い教師~
令和5年度の文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、不登校の児童生徒の割合は小学生で約60人に1人、中学生で17人に1人となっており、増加傾向が続いています。
また、いじめの認知件数は小学校、中学校、高校及び特別支援学校の総数は732,568件にものぼります。
さらに令和2年度に文部科学省が行った調査によると通常学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒の割合は8.8%となっていますが、これは小学校1年生から中学校3年生を平均した数値であり、小学校1年生での割合は約10%にもなります。
不登校、いじめ、発達障害… 教師は心に寄り添うプロになろう
このような問題が山積している中で、現在の教師に求められていることは何なのでしょうか。不登校、いじめ、発達障害とそれぞれ別の問題のように思われがちですが、実はこれらの問題は複雑に絡み合っています。
例えば、いじめが原因で不登校になる、発達障害のため友人とのコミュニケーションが上手くいかずに不登校になる、いじめにあう、といったようにそれぞれがそれぞれの原因になることがあるのです。
こうした児童生徒の問題に立ち向かう教師に今求められることは何なのでしょうか。 教師であれば誰しもが教員免許状を有しており、「教育のプロ」であることは間違いありません。 しかし、不登校やいじめ、発達障害に向き合うためには「教育のプロ」であることにプラスして子どもの心に寄り添うことができる「心理にも強い教員」であることが必要になってきます。
また、コロナなど環境の変化で登校したくともできない子どもたちの心も疲弊してきています。こうした中だからこそ、子どもの心に寄り添い、子どもの気持ちを理解できる「心理にも強い教員」を目指して欲しいと考えています。
文

星槎大学教授
岩澤 一美(イワサワカズミ)
専門分野:発達障害、特別支援教育
プロフィール・研究業績等